博士の愛した数式
2019年7月4日
こんばんは北村です。
7月に入りました。 皆様いかがお過ごしでしょうか?
西日本では大雨が続いていますが大きな災害が起きないようにと願うばかりです。
今回は 「博士の愛した数式」 小川洋子著 新潮文庫発行
という本をご紹介いたします。
★あらすじ
「ぼくの記憶は80分しかもたない」
博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた・・・・・・・・
記憶力を失った博士にとって、私は常に新しい家政婦。
博士は初対面の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。
数字が博士の言葉だった。
やがて私の10歳の息子も加わり、ぎこちない日々は驚きと喜びに満ちたものに変わっていった。
あまりに優しく、暖かい 愛の物語。
※第1回本屋大賞に選ばれた 小川洋子さんの「名作」です。
とても不思議な魅力のある物語です。
ときどき こういう素敵な小説に巡り合えることがあるので、やっぱり読書はやめられないです。(*^^)v
何度でも何度でも繰り返し読みたくなる お薦めの1冊です。
本文より
静かであることは博士の最大級のほめ言葉であった。
博士は気が向くとよく、台所で料理している私の姿を食卓から眺めていたが、
餃子を作っている時は特に驚異の視線を注いだものだ。
掌に皮を広げ、中身をのせ、ひだを4つ寄せながら包み、皿に並べる。
たったこれだけの単純な繰り返しなのに飽きもせず、最後の1個が完成するまで目を離そうとはしなかった。
あまりに彼が真剣で、時に感嘆のため息さえ漏らしたりするので
私は妙にくすぐったく、笑いをこらえるのに必死だった。・・・・・・・・・・・